エンジニアリングマネージャー、私立小学校受験を経験する

前回の記事投稿からだいぶあいていますが、あいかわらずGAFAではない会社で働いています。前回から変わった点として、ソフトウェアエンジニアからエンジニアリングマネージャーになりました。今回は家を建てる以上に大変だった子どもの私立小学校受験の話を書きます。ちなみに、あいかわらずこの記事にエンジニアリング要素はほぼないので釣りタイトルになります、エンジニアリングマネージャーとしてのプロジェクトマネジメント能力やピープルマネージメント能力が活かせれば良かったですが、そんなものでは全く太刀打ちできませんでした。

注意事項: この記事は素人の個人的な意見や感想です。ここに記載する内容は昔過ぎて記憶があやふやな部分もありますし、子育てや教育方針はその家ごとに異なると思いますので、あくまで一個人のメモ程度に考えてください。また、公立小学校よりも私立小学校が良いという意見を持っているわけでもないです、各家ごとに多様な考え方があるかと思います。

(当時の)我が家の子どもの教育に関する基本的な考え方

この記事の前提として、私立受験を考える前の当時の我が家の基本的な教育に関する考え方を記載します。まず、夫婦ともに小中高と公立の学校に通い、大学は国立を選びました。塾も高校受験のときと大学受験のときにお世話になったくらいでした。親から勉強をしろと言われたことは記憶の限り一度もなく、自分達がやりたいから勉強して志望校も自分達で決めていたという感じです。自分達の子どもには習い事こそ色々させていましたが、学校に関しては自分たちと同じように勝手に勉強して入りたいところに入るだろうと思ってました。また漠然と、できるだけ公立や国立を選んでほしいなと思っていました。

我が家の家族構成

私: 幼少の頃は一回も勉強した記憶がない。習い事もしたことない。ゲームばかりしてた

妻: 塾や習い事には通っていたが、教養程度

長男: 別に特別賢いとか何もない普通の子どもだと思ってる。ある日、突然親の小学校受験熱が上がったせいで受験させられるはめになった

長女: 兄が受験したせいで、自然な流れで受験させられるはめになった

なぜ私立小学校受験を考えたのか?

はじめのきっかけは、長男が3歳の頃に妻が「都立の小学校ができるらしい」という話をどこからか聞いてきたことから始まったと記憶しています。当時、長男は公立小学校に入学させるつもりだった私としては、そこまで本気には考えず、まぁ公立と同じように授業料もかからずに賢い小学校に通えるなら選択肢としては悪くないかも程度に考えていました。それから妻が小学校受験について調べ、実際に国立や私立小学校などの説明会などに参加したり、受験塾に見学に行ったりして、いよいよ妻から「長男を塾に入れたい」と言われました。そこから、我が家の長い長い私立小学校受験がはじまりました。

なぜ私立小学校受験を決めたのか?

きっかけは都立小学校、国立小学校を検討しはじめたことでしたが、結局のところ我が家は私立小学校受験にかじを切りました。我が家なりのいくつかの理由があります。

家庭の方針にあった学校を選ぶことができる

当然ですが、公立小学校は学区で入学可能な学校が決まっています。私が暮らす地域では、特別な理由があれば別の学区の小学校にも通うことができそうでしたが、例外的な扱いでした。そして、当時我が家が住んでいたマンションは学区の端の端で、指定の小学校まで相当距離がある上に、通学路も朝夕と人通りが多い道を通る必要がありそうでした。そして、その小学校の様子や情報は全くわかりません。今でも、公立小学校に特色のある教育方針があるかどうかわかりませんが、少なくともそれを知る機会も入学前にはありません。そういった情報を知るためには、保育園やご近所付き合いのある小学生の親御さんたちから情報収集する以外に方法がないです。

一方、私立小学校に関しては、児童を募集する立場にあるので、非常に積極的に情報を開示しています。説明会や学校見学会では、学校の校舎の中を見てまわり、設備の充実度を見たり、学校の特色などに関する情報を知ることができました。また実際に学校に通う児童の勉強している様子や休み時間の過ごし方も見ることができました。子どもを連れて参加して実際の授業を体験できるイベントを開催する学校もありました。それらの情報を学校ごとに比べて、最も家庭の教育方針にあった学校を選択できる点が非常に良かったです。

一貫校を選ぶことで、中学受験や高校受験をスキップできる

一貫学校のほとんどが小中高と内部進学できる制度があり、子どもの中学受験や高校受験での苦労をスキップできるという点も大きな魅力です。数は少ないですが、大学まで所有している法人の私立小学校に関しては、小中高大と16年間の一貫教育を打ち出している学校もあります。しかも、有名な学校が多く、慶應義塾幼稚舎早稲田実業学校初等部、青山学院初等部などは小学校で入学してしまえば、それぞれ慶応大学、早稲田大学青山学院大学への内部進学の制度で大学までいけてしまいます。そこまでいかずとも、普通に受験するには困難な人気の高い中学や高校に内部進学できる小学校にあらかじめ入学できるというのは大きな利点です。昨今、特に都内では中学受験は激戦を極めており、人気のある学校に合格するために、小学4年から3時間近くの授業を週2で受け、小学5年から週3回になり、小学6年からは志望校別の講座もはじまるのでほぼ毎日塾にいると聞いています。また、宿題も大量にあり家庭での時間もほぼ勉強になります。当然ですが、他の習い事に行く時間どころか、友達と遊ぶ時間も家族と過ごす時間もない状態になるようです。本人はもちろん、家族も強いプレッシャーにさらされ続ける状態が長く続きます。こういった苦労をスキップできるのは非常に良い点です。

(中学校受験について詳しく知りたい方は、「二月の勝者」という漫画を読むことをおすすめします)

教育にかける熱量とカリキュラムの充実度がすごい

私個人でもいくつも私立小学校に見学に行きましたが、例外なくどの小学校も子どもたちへの教育の熱量が非常に高かったです。先生1人1人が児童をしっかりと見ていますし、児童へのケアもしっかりと行き届いていると感じました。それぞれの学校が打ち出す教育カリキュラムも充実しており、英語教育やICT教育、課外活動の時間も多く、子どもの教育に非常にプラスになると感じられることが多かったです。また、我が家は検討しませんでしたが、いわゆる中学受験校と呼ばれる小学校も人気が高いです。こちらは、小学校の授業のカリキュラムに中学受験対策が組み込まれており、有名私立中学校への高い進学実績を持っています。このように、私立小学校はそれぞれで特色あるカリキュラムと教育にかける熱量の高さが非常に良い点です。

児童の学力・教養のレベルが高く、保護者同士も考え方が似ている

当然ですが、受験を経て合格を得るまでに、すべての児童がかなりの量の勉強をしています。面接がある学校も多いので、礼儀作法や話し方、聞き方に関しても非常にレベルが高いです。そういった児童が同級生になるという点で、自分の子どもにも良い影響があることを期待できます。また、保護者も子どもに対してかなりのコストをかけて教育をしているので、その熱量であったり考え方が似ていて、コミュニケーションがスムーズにできます。公立小学校に通わせていないので厳密に比較することはできないのですが、個人的には児童同士のトラブル、保護者同士のトラブルも公立小学校に比べれば少ないのではないかと思っています。

私立小学校受験の基本

ここでは私立小学校受験って結局なにをするの?という基本的なことを解説します。

受験する小学校

全国の私立小学校の数は現在243校です。東京都で見ると55校と、その数だけで見ると非常に少ないですね。国立小学校は都内だと6校、都立小学校に至っては1校しかありません。また、すべての学校に受験できるわけでもありません。当然、小学生が通学できる限度があるため、それぞれの学校で通学可能圏内の定義があります。そんな親はなかなかいないと思いますが、学校側も例えば小学生が片道90分かけて電車バスで通学するのは認められないと考えている学校が多いです。国立小学校でおそらく最も人気がある筑波大学附属小学校は、通学圏内と認めているのは「東京都の23区、西東京市、埼玉県和光市のいずれかの区域」と定めています。そこまで、考えるとさらに現実的に受験できる(通える)小学校というのは数えるほどしかありません。とはいえ、実際に小学校受験の世界に飛び込んでみると「受験のために区内に住む場所を用意して住民票も移した」みたいなとんでもない話を聞いたりもします。

私立小学校の試験について

児童が幼稚園・保育園でいう年長の年の秋にあります。埼玉校が9月、神奈川校が10月、東京校が11月です。東京の日程では11/1に開始し、11/7頃にはほとんどの私立小学校の試験日程がおわります。この一週間に都内のほとんどの学校の試験が詰め込まれているので、併願するのはかなり厳しいです。ただ、学校ごとに試験の特徴が違うので、一般的にはそれほど多くの学校を併願するのは現実的ではないです。

試験の内容は大きく、ペーパー、巧緻性、運動、絵画制作、行動観察、そして面接が出ます。ペーパーは、プリント形式で出される問題を解いていくスタイルです、ただ当然多くの児童はまだ読み書きができないため、問題は口頭で出され、書く内容も「正解に丸をする」「正解の数だけ丸を書く」というスタイルが多いです。巧緻性は、物を使って指示通りの操作をする、生活習慣に関する課題などです。運動は、走る、跳ぶ、バランスなどの運動能力を見るための課題が出ます。絵画制作はその名の通り、指示通りに絵を描くものになります、この際に合わせて試験管に自分の描いた絵の説明も要求されます。行動観察では、児童が集団で集められて、その中で指示通りの活動を行い、その様子を採点されます。気になる方は、有名私立小学校の名前で入試問題を検索してみてください。保育園児が解けるとは思えない問題ばかり出てきます。数の分野の問題でいうと、数式は出てきませんが足し算引き算は当たり前で、普通に掛け算と割り算も概念として出てきます。

小学校受験に馴染みがない方は、上記のような試験内容の勉強を高校受験や大学受験の共通テスト(センター試験)のように満遍なく勉強して、総合的に高得点を取れば良いと想像するかもしれません。ところが、私立小学校の入試問題は学校ごとに全く傾向が違います。有名なところでいうと、慶応幼稚舎ではペーパー、巧緻性、面接がありません。運動、絵画制作、行動観察ですべてが決まります。そのため、慶応幼稚舎を受けるならば、その3項目をとにかく極めていかないといけないです。しかし、早稲田実業学校初等部の試験ではかなりハイレベルなペーパー、巧緻性問題が出ます。すべてを満遍なく伸ばすというよりは、その志望校の試験項目を志望校の合格レベルに上げていく戦略が必要になります。もちろん、国立小学校の受験なども考えると、結局は満遍なく上げていくことにはなりますが、強く希望する志望校があるならば、その志望校の試験に特化した勉強をする必要があります。

次に、特徴的なのは面接です。これも普通の方は児童が小学校の先生から質問されたことに対して受け答えするだけという想像をするかもしれません。実際に、そういう学校もあります。しかし、一般的には小学校受験の面接は親子面接で、学校側は親の受け答えをより注意深く確認しています。つまり、親も試験されるのが小学校受験なのです。私も小学校受験の面接を何回もこなしましたが、かなり苦戦しました。一般的な面接のように、聞かれたことに対して自分のアピールをしつつ回答するのではなく、その回答自体が子どもや家庭のアピールになっていないと、小学校で面接されている意味がありません。その変則的な思考をしないといけないこと、また時には完全に想定外の質問をされることもあったため、面接前にはかなり緊張しました。

このように、私立小学校の試験は一筋縄ではいけません。上記のような試験以外にも、そもそも5~6歳の児童が大人から引き離されて数時間大人の指示通りに行動する、机に1時間座ってプリントをこなすことすら訓練が必要です。なんなら、子どもだけではなく、親も塾で(面接の)勉強をする必要すらあります。この対策のために、私立小学校専門の塾に通うことは基本的には必須だと思います。

私立小学校受験塾について

なにはともあれ、小学校受験に対応した塾に入塾させないことにはなにもはじまりません。ごくたまに専用の参考書と家庭学習のみで合格したみたいな嘘か真かわからない話も耳にしますが、普通に考えて志望する学校を狙うなら塾は必須です。では、いつ頃から入塾するかというと幼稚園・保育園でいう年少の学年の秋頃が最速に近いと思っています、多いのは本番の1年前の年中の秋頃という言説も見ますが、我が家は年少の秋から入塾しました。あとで月齢の話もしますが、早生まれの我が子は年中から入塾していたら確実に間に合わなかったと思います。塾にもよりますが年少、年中ではそこまで多くなく、週1回2時間程度です。年長クラス(ちなみに小学校受験塾でいう年長クラスは年中の11月からスタートです)になると、週1~2で5時間、それに学校個別の講座を重ねていると+1~2時間加算されます。季節ごとに、春期講習、GW講習、夏期講習、冬期講習、直前講習など、特別講習も入ってきます。また、塾ごとにも特色があります。塾に子どもを預けて親は外で時間を潰して、授業が終わる時間に迎えにいくものが一般的です。長男のときはこのような一般的な塾を選択し、預けている時間は仕事ができたので、裁量労働やリモートワークに救われました。ただ、一方で授業の様子や実際にどこで苦労したのかといった点のフィードバックが少なく、子どもの学力のどの部分を改善すればいいかわからず苦労することが多かったです。それに対して、長女は親が必ず授業に同席する某有名塾に通わせることにしました。この塾の特徴は、親が実際に授業を参観するスタイルのため、子どもが授業のどこで躓いているか、子どもの授業中の様子(姿勢、よそ見、話を聞いているか等)をリアルタイムでフィードバックを得られることです。また、先生がどのように子どもに教えているのかを知ることもできるので、家に帰っても先生の真似をして子どもに教えることができます。素晴らしい点ばかりに感じますが、とにかく親側の疲労がとんでもないです。当たり前ですが、平日は不可能なので、休日にすべてのコマを集めて、親が付きっきりになります。しかし、その苦労に見合う価値があったと思います。

また、上記以外の特色として、同じ系列の塾でも校舎によってまた異なる特色があります。それは、その校舎がどの学校に特化した校舎ということです。例えば、早稲田実業学校初等部を受験するなら、学校がある国分寺市内の国分寺校舎や近隣の国立校舎などにしか学校別講座がない場合があります。そのため、区内からわざわざ国分寺校舎まで通っているというケースも多いです。他の学校についても同様で、志望校があるなら、塾選びはその学校の近隣の校舎を選択することが多くなると思います。

私立小学校 vs 都立小学校/国立小学校

我が家が私立小学校受験にかじを切ったので、私立小学校の話ばかりしていますが、元々は都立小学校志望でした。私立のような高額な授業料がなく、人気のある中高への内部進学制度もある都立小学校と国立小学校がなぜ我が家の一番の本命にならなかったのかも含めて説明します。

まず大前提として、都立小学校と国立小学校は倍率がかなり高いです。みなさん、かなり高いと聞いていくつを想像しましたか?3倍ですか?5倍ですか?いいえ、都立小学校の倍率は24倍です。国立の筑波大学附属小学校の倍率は30倍と言われています。そもそも、これらの小学校は受験することすら困難です。試験を受ける前に抽選があり、本当に確率だけの勝負で、志願者の6~7割が落とされます。そして、運良く試験を受けることができて、試験で合格基準を満たしたとしても、そこから更に抽選で3割が落とされます。この制度をはじめて聞いたとき、年単位で勉強して準備しても抽選で落ちるのはあまりに辛すぎると感じました。このような理由から、子どもの受験プロセスを進めるなかで、自然と我が家では私立小学校を主眼に考えるようになりました。ちなみに一応、応募はしてみましたが、1次抽選で落ちました。

また、当然ですが都立小学校と国立小学校はお金に余裕があるわけではありません。某国立小学校を見学しましたが、私立小学校に比べて施設はかなり老朽化していました。また、私立小学校ほど学校独自の特色というのも感じづらかったです。そのあたりはほぼ公立小学校と同様でした。ただ、人気があるため、口コミや学校の特徴を解説する情報がインターネットで見つけやすいので、学校の特徴や様子が完全に不明というわけではないです。また、実際に小学校の説明会で聞きましたが、とにかく保護者の出番が多いらしいです。保護者の大きな協力を前提として、学校運営が成り立っているようでした。

では、なぜそこまで圧倒的に人気があるのか、もちろん一番最初に来るのは金銭面です。公立小学校にはない教育制度や内部進学制度があるにも関わらず、授業料は無料です。この一点のみでも、とりあえず願書くらいは出しておくかと思うご家庭も多いと思います。また、内部進学できる中学校が都内でもトップクラスに人気のある中学校であることも大きいです。上記で話題にあげた筑波大学附属小学校の内部進学先は筑波大学付属中学校です。この学校は首都圏の中学校のなかでもトップクラスの共学校です。そのような学校に内部進学が可能であることが大きな人気の理由になっていると思います。しかし、落とし穴もあり、特に都内の国立小学校において内部進学は全員が進学できることを保証するものではありません。保証するどころか、中学、高校と上がるにつれてかなりの人数が内部進学を諦めて外部進学するらしいです。都立小学校の方に関しては基本的には内部進学可能らしいですが、まだ出来たばかりの学校のため実績はないです。

このように、私立小学校に比べて都立小学校と国立小学校がどういう特色があるか示しました。多くのデメリット要素もある都立、国立ですが、私立小学校の受験日から1ヶ月弱遅く試験がはじまるので、併願しやすく、第一志望の私立小学校で合格をもらった児童でも、国立と都立は受けるという子どもも多いです。

私立小学校受験して良かったこと

私立小学校自体の利点についてはすでに書きましたので、実際に私立小学校受験を通して良かったことについて書きます。まず、第一に子どもがすごく成長しました。小学校受験の試験項目は、先に記載したとおり、ペーパー問題だけ見ても小学校以降も必要になるような算数の能力や記憶力、言語能力、図形把握能力などが伸びます。また、巧緻性などで課される教養を身につけることができる、身体の動かし方やなわとびやボールなどの運動能力、複数人でのグループワーク、面接などで大人との話し方などなど、今後も必要になる能力が軒並み伸びます。そういった面でわかりやすく子どもの成長を実感できますし、また単に未就学児が1時間机に座ることができるようになることすらもすごいことだと感じました。

そして、受験勉強を通して、勉強の習慣がつくだけでなく、子どもたちが勉強自体を楽しいと感じるようになっていったのも良かったです。小学校受験自体が、単に子どもの頭の良さを見るわけではなく、子どもの好奇心や想像力などを見ている場合も多く、学習のなかで楽しく学べる要素が多くありました。一度間違えた問題も、次にやるときには解けるようになっている子どもたち自身の成長も、子どもたちはしっかりと感じ取りながら、学習を進めることができていたと思います。また、長男は受験制作が好きでしたし、長女は受験運動がとても好きになっていきました。自分の得意分野で、しっかりと成果を出して、そのフィードバックが得られることも、子どもたちが幼いうちに体験できて良かった点だと思います。

次に、早い段階で子どもの教育について真剣に考えることができた点も良かったと思います。まだ幼いながら、自分の子どもたちにはどういう適正がありそうか、どういったことが苦手なのか、親として子どもたちがどう育ってほしいのかを真剣に考えた期間でした。もちろん、小学校受験をせずともそんなことは親として当たり前に考えていたかもしれませんが、受験塾での自分の子どもの様子と他の子どもとの違いを見たり、私立小学校に通う子どもたちの様子を授業公開や発表会で見ることで、より鮮明に子どもの将来について考えることができたと感じています。

あとは結果論ですが、志望校に合格して子どもたちを自分たちが良いと考える小学校に通わせることができたことも受験して良かった点です。また、実際に長男はもう数年私立小学校に通っていますが、想定通り素晴らしい点が多いです。学校説明会にも何度も通い確認したので、入学前と入学後のギャップもほとんどなかったです。むしろ、良い方向に予想外だった点も多かったです。

そして、長男も長女も内部進学のルートがある小学校のため、中学校受験に対する一定の安心感があります。もちろん、より良い中学校への外部進学というルートもないわけではないので、これからまた中受が待ち受けているかもしれませんが、それはもう少し先の話になりそうです。

私立小学校受験して辛かったこと

一方で、やはり私立小学校受験で辛かったこともたくさんありましたので、正直にそれらのことも書いていきたいと思います。

私立受験を通して、私の心のなかでずっと悩んでいたことが「園児が勉強とかおかしくない?」ということでした。冷静に考えて、3~4歳の子どもが勉強をはじめて、年長になると毎日保育園から帰ってきてずっと勉強する生活をするのは不健全に感じていました。土日のどちらかは受験系の用事で埋まるので遠方へ遊びに連れて行くのも難しかったです。幼い子どもの勉強を見ながら、受験なんてやめてただ遊ぶだけの生活を送ってほしいなと何度も考えました。これは今でも答えは出てないです。長男は小学校を気に入ってますし、受験勉強をしたことは覚えていますが、それを辛かった思い出とは思っていないようです。しかし、もし受験勉強せずにめいいっぱい遊んだり、もしくは別の習い事をして公立小学校に入っていたら、どうなってただろうか、と考えていまいます。私立小学校受験は、どうしても子どもの意志ではなく、親の意志で子どもの時間を奪ってしまうので、受験期間を通して、また受験が終わったあともずっとこの悩みと向き合う必要があります。

次に、共働きと専業の問題です。我が家は共働きですが、受験塾に通わせて感じたのは、専業の家庭がやはり多いなということです。そもそも塾に通わせること自体、平日も視野に入れる必要があるので、どうしても共働きだと難しいです。また、毎日の家庭学習でも取れる時間がかなり限られます。一方で、専業の家庭では、子どもは幼稚園に通わせて午後3時には迎えに行き、塾にそのまま連れて行くなり帰って家庭学習をするなりと、取れる時間の余裕が段違いです。そういった点で、共働き家庭は不利だと感じることも多かったですし、実際に受験期間だけ両親のどちらかが仕事をセーブ(実際に受験に集中するために退職してしまった話も聞きました)するという話もよく耳にしました。一方で、我が家ではそういった戦略は取れなかったです。

そして、月齢の問題です。小学校受験では、どうしても子どもがいつ生まれたのかが重要になってきます。4月に生まれた児童と、3月に生まれた児童は実質的には1歳差がありますが、同じ試験問題を解いて同じ水準で評価されます。そして、幼児期の1歳差は本当に大きなギャップがあります。はっきり言って、早生まれの子どもは圧倒的に不利です。もちろん、完全に能力のみで見ると受験が必要な小学校には遅生まれの子どもたちばかりになってしまい、多様性に欠けますので、月齢考慮がある学校もあります。そういった学校は、月齢別で評価して満遍なく合格を出したり、試験問題を月齢ごとに変えている学校もあります。ただ、そうではない学校もありますし、受験を通して他の遅生まれの子どもと明確に差が出てしまうので、総じて早生まれは不利に働くと思います。そして、うちの子供たちは2人とも早生まれですので、本当にこの点は辛かったです。

次に、塾の掛け持ちについてです。これは業界用語で併塾と言うそうです。意味としては、そのままいくつもの塾を掛け持ちして通うことです。1つの塾だけでも週何時間も授業があることは先に記しましたが、それを単に2倍にしたりすることわけではないです。試験問題の話で触れましたが、学校によって出る問題や難易度が大幅に違います。例えば絵画制作に点数の比重が大きい学校を志望校とする場合、メインの塾以外に、絵画教室に通わせたりすることが多いと聞きました。また、我が家ではメインで通っている塾に、志望校別の授業がなかったため、志望校に特化した講座がある別の塾にも直前期には通わせていました。このように、必要に応じて掛け持ちするわけですが、中には本当にメインと同じレベルで別の塾に通わせていたり、家庭教師を雇っているケースも聞きました。我が家では、そもそもそんな時間が親側になかったこともありますし、金銭的な負担の面もあり、難しかったです。

最後にお金の話です。小学校受験には様々なお金がかかります。まず第一に受験塾の費用、模試や追加教材の費用、子ども親含めお受験用の服の費用、小学校に払う入試費用や合格時の手付金などなどです。一番大きいのが当然、受験塾に払うお金ですが、長男の受験時に合計500万、長女の受験時に合計300万ほどかかりました。とんでもない金額ですね。おそらく一般的には長女の300万程度で済むはずですが、長男のときには色々勝手がわからず志望校を増やして志望校別講座をたくさん取ったり、多くの模試を受けたせいで金額が跳ね上がっていきました。長女のときには、その点を反省して、早めに志望校をしぼったことで出費をだいぶ抑えました。しかし抑えて、これです。我が家は共働きで、特にお金のかかる趣味もなく、私自身も一般的なIT企業に務めるサラリーマン平均よりは年収は高いと思っていますが、本当にしんどかったです。

私立小学校受験の向き合い方

この記事も終盤ですが、上記に述べたような良かったこと、辛かったこと様々なことがあるなかで、私自身がどう私立小学校受験に向き合ったか、子どもとどう向き合っていたかについても触れたいと思います。

まず子どもの前に、親のほうの目的意識をはっきりとさせることが重要です。受験には、金銭面、拘束時間の負担は当然ですが、常に受験に対する不安とも戦わなくてはいけません。そして、実際に親子面接で親自身も評価されます。そのような負担や精神的なプレッシャーのなかで、子どもを志望校に入学させたい理由や将来どのような子どもになってほしいかといった考えを明確に持ち、またそれを夫婦でよく共有することが重要だったと思います。他にも、受験の合格のみが絶対の評価基準であると考えることは出来る限りやめました。受験を通して、着実に子どもが成長していく様子を日々見ることができていたので、子どもの出来ることが1つ増えていくたびに、その1つ1つをノートに書き留めて、気持ちを前向きにできていました。

次に子どもとの向き合い方です。まず大前提として、親が子どもを私立小学校に入れたいと思うのは、子どもから見ると親のエゴでしかないと思います。そのなかで、出来る限り子ども自身が、小学校受験を自分ごとと思うことができるかは重要だったと思います。実際に、子どもを連れて説明会や体験授業に何度も通い、子どもも「ここに通いたい」という思いを持ってもらうことが大切だと思います。また、受験学習において、常にポジティブな発言のみを言うように心がけました。学習過程では、はじめての問題や難易度の高い問題を解くことが多いので間違えることが当たり前ですが、子どもにとっては「また間違えた」「いつも自分は失敗している」と感じてしまいます。そうならないように「ここは間違えているけど、ここは合っててすごいじゃん」とか「ここすごくおしかったから、次は絶対できる」といった声掛けをし、すべて正解したときには大きなリアクションで子どもを褒めるようにしました。

思い返すと、子どもの様子をしっかり観察して、子どもがうまく出来たことはすぐに褒めるようにしたことが、親にとっても子どもにとっても良かったと感じます。

 

下記は子供の様子を書き留めたメモ帳の一部抜粋。

結局、私立小学校受験ってどうなの?

正直に申し上げて、普通の家庭では全く考慮する必要はないです。素直に、やめたほうがいいです。一番大きな理由は、金銭面です。辛かったことでも書きましたが、とにかくとんでもないお金がかかります。もちろん、かけたお金以上のリターンがあったとは思いますが、他のことはすべて二の次で子どもの教育にとにかくお金をかける覚悟が必要です。次に、時間の問題です。リモートワークや有給休暇が取りやすい会社だったので成り立ちましたが、普通の会社で共働きだと純粋に時間が足りません。それらの2つの問題をクリアしている方には、私立小学校受験をおすすめします。メリットは先に述べていますが、やはり小学校の時点で子どもに合った優れた教育を受けさせることができる点もそうですが、中学校受験に対して公立の小学校よりもアドバンテージを取れる点が多いのが大きいです。内部進学プロセスがあるのであれば、中学受験自体をスキップできますし、外部進学を推奨する人気の小学校では中学校受験対策を学校でしてもらえます。私立小学校受験のきっかけは、ふわっとした理由からでしたが、子どもたちと小学校受験をして本当に良かったと思っています。この記事を読んでくれている皆さんが、ご自身の子どもの教育に関して考える一助になれば良いと思いますし、私立小学校受験も子どもの進路の選択肢の1つになれば良いなとも思います。

ソフトウェアエンジニア、家を買う

f:id:hichihara:20210724110807j:plain
最高の夏を迎える中庭

前回の記事投稿からだいぶあいていますが、あいかわらずGAFAではない会社でソフトウェアエンジニアをしています。今回は最近の個人的な大仕事であった家を買った話を書きます。ちなみにこの記事にソフトウェアエンジニア要素はほぼないので釣りタイトルになります、ただプロダクト設計やプロジェクトマネージャー的な感覚は必要になって非常に面白かったです。

注意事項: この記事は素人の個人的な意見や感想です、また家に関して何が一番良いかは人それぞれなのでそういった議論もしません。

なぜ家を買ったのか?

子供の小学校入学前であることコロナ禍であることで決断しました。元々、自分や妻のキャリアや子供のことなども含め賃貸で暮らしてきましたが、子供も大きくなり小学校入学前には持ち家を買いたいなと漠然と考えていました。大体2年前くらいから都内で4LDKの戸建てやマンションを探していて、実際に買う寸前までいった新築マンションもあったのですが、抽選で外れたりといった経験もしました。それでも住んでいた分譲マンションの賃貸の住み心地も悪くないし焦ったりはしませんでした。

そういった経験を経てコロナがやってきて状況は一変しました。夫婦ともにリモートワークで1日中、家の中にこもる生活がずっと続き、マンションで自由にできる庭もないし、私の書斎には窓がなかったので、陰鬱とした気分になることが度々ありました。また、リモートワークに合わせて弊社も他のIT企業も働き方が変わっていく雰囲気があり、これからもリモートワークはしばらく続くしアフターコロナでもおそらく毎日出社する生活には戻らないだろうという目算もああったので、広くて快適に過ごせる戸建てを買うぞという気持ちに大きく傾きました。

どういう家を買ったのか?

我が家の家族構成は、夫婦+子供2人です。夫婦二人ともリモートワークで日中にリモート会議も頻繁にあるため、仕事部屋2つは必須でした。それに加えて子供2人の部屋と寝室を考えると5LDKがマストになります。この時点でマンションという選択肢は消えました。

そうして5LDKの戸建てを探す日々になったのですが、そのような物件はあまり数が多くありませんでした。今、私が住んでいる地域で見ると大体半年に1件出るかなという程度で、ほとんどの戸建て物件は4LDKでした。このような状況で我々がベストだと思う家を探すのは厳しいなと感じ、途中から土地から探す、という方向にシフトして結局のところ土地+注文住宅で家を建てることにしました。

どこに家を買ったのか?

 利便性や資産価値を考慮すると区内や23区に隣接する場所が良いのは間違いないのですが、とてもじゃないですが手が出ませんでした。探せば50平米の土地に3階建て5LDKの家を建てることはできるかもしれませんが、元々の広くて快適に過ごせる家からはちょっと遠くなってしまいます。またもう出社する頻度は高くないことも考慮して、少し郊外の地域で区内へのアクセスもさほど悪くない場所で探しました。結局のところ、元々住んでいた地域が郊外でそれなりに割安、必要なものは全て揃うという地域だったため、ここで家を買うことにしました。これは土地勘がある、また子供の保育園の転園が不要という要素も大きかったです。

どうやって家を探したのか?

基本はSuumoを全力監視です。毎日毎日Suumoを開いてはため息をつく生活でした。当たり前ですが、自分たちが住みたい家(または土地)は他人も同じように住みたいと思うはずです。駅近、スーパーの近さ、土地の広さ、家の設備、自分たちが求める家を追求していくと家の価格はどんどん上がっていきます。コスパの良い家なんてないんだなというを強く感じました。それでもいくつかやり方はあって、私が経験したのは、(1)不動産屋に内見を依頼したり資料請求すると似た条件の不動産が出たときに優先的に連絡が来る、(2)Suumoに出ていた値段だと高いなと思って内見に行くと値下げの話が出てくる、といったパターンです。(1)に関してはSuumoにも載っていない物件を紹介してもらったこともありました。こういった物件はまだ多くの人の目に触れてないので意外な掘り出し物に出会えることもありました。そして(2)に関してはわりかしよくあることだと思います、新築分譲物件でも売れ残っていたりすると値引きを提案されることがありました。どれも、実際に内見に行ったり資料請求したりといった買う意思を不動産屋に示す必要がありますので、Suumoをずっと眺めているのではなく、実際に行動に移すことが重要でした。

注文住宅

紆余曲折あり、土地を買って注文住宅を建てることになりました。これは結局のところ5LDKの家の供給が極端に少ないということが起因しています。供給されないなら自分で建てるか、きっと値段も分譲を買うのに少し上乗せするくらいだろ、という結論は思い返すとかなり思い切ったなぁと思います。家自体に強いこだわりや特殊な要望がない普通の人には、素直に新築分譲を買うことをお勧めします、結局のところめちゃくちゃ高くつきました。

しかし、最終的には自分たちの要望が全て詰め込まれた最高の家を作ることができました。一番のこだわりポイントは、写真にある通りロの字型で家の中央に中庭ウッドデッキがある点です。どこからの視線もなく、子供たちがプールで自由に遊べます。今後はガーデン家具を揃えて落ち着ける空間を作ったり、色々と夢が膨らむ良い家になりました。

家を建てるまでの細かい話

ここからは家を建てるまでのすごく細かい話を私が覚えている範囲で乱雑に書き残していきます。興味のある方だけ読んでください。

都内で家を探す難しさ

最初はマンションや中古等も含めて検討していましたが、高いです。めちゃくちゃ高いです。そして、私が探していた頃よりも都内の不動産の値段はまだまだ上がっているように感じます。しかし選択肢はとても多いです。無数の不動産の中から自分の条件にベストマッチする不動産はないため、なんらかの妥協点を持って探す必要がありますが、その妥協点を探す意味でも不動産を購入するにあたり色々な知識をつける必要がありました。例えば、「借地」であったり「建ぺい率」であったり、前面道路が「何道路」なのかであったり、購入者として知っておかなければいけない知識も無数にあります。それらは、とあるコミュニティSlackの #fudousan チャンネルで有識者に相談したり、YouTube動画を見たり、漫画「正直不動産」を読んで知識をつけました。

土地探しのポイント

土地を探すにあたり、普通に分譲住宅を探すときとは異なるいくつかのポイントがありました。

  • 土地の建ぺい率/容積率
    • 家の床面積がこの比率によって制限されます。第一種低層住居専用地域では40%/80%の比率が多く、100平米の土地を購入しても40平米分しか家を建てることができません。かといって建ぺい率/容積率が高い場所を選ぶと、お隣にマンションが建って日当たりや景色がイマイチになる、なんてこともあるためよく検討する必要があります
  • 古家の有無
    • 更地渡しなら問題ありませんが、古家が残った状態で引き渡されるパターンもあります。こうなると解体費用は買主側の負担になります。この解体費用がくせもので、事前にしっかり見積もっておかないと、アスベストを使った建物、鉄筋コンクリートの建物、立派な庭がある、地下に埋設物(井戸、浄化槽)がある等で解体費用は跳ね上がっていきます
  • 土地の越境、境界線問題
    • 隣家との間の境界線に関して合意が取れているかどうか、また隣の土地から越境物(木の枝や電線等の空中越境)があるかどうかで、後でお話合いになる可能性が高く、そういった問題がないかどうか確認が必要です
  • ブロック塀
    • 昔とは違い、現在は高さのあるブロック塀で控え壁などの措置がないものは違法になっています。そういったブロック塀があると検査に通らないため、控え壁の設置やブロック塀のカットが必要になります。またここで問題になるのが、古い住宅だと隣家とブロック塀を共用しているケースが多い点です。お互いの家の境界線を跨ぐようにして共用のブロック塀がある場合、その扱いは隣人との話し合いで決める必要があります
  • 共用の私道負担の有無
    • 接道が共用している私道しかない場合は特に問題になることがあります。例えば、私道からガスや水道を引く場合、その私道を共用している土地主の全ての方から合意を取る必要があります。多くのケースでは問題にはならないかと思いますが、実際に、共用している私道の持ち主のおじいちゃんに合意をお願いに行くと「よくわからない。よくわからないものにハンコは押したくない」と言って合意がなかなか取れずに苦労したという話を聞いたことがあります
  • 周辺道路の道路幅
    • 接道が4m幅であることはマストにしたいですが、そうでない場合もあります。また接道自体は4m確保されていても、近隣の道路が極端に狭かったり一方通行で不便であったり、見るべきポイントはたくさんあります。よくよく近所の家の駐車場を観察すると、みんな軽自動車やコンパクトカーでミニバンが1台も停まってなかったりすると怪しいです
  • 土地の地盤改良が必要かどうか
    • 家を建てるにあたり、地盤が緩かったりすると家を建てることができませんので、地盤改良工事が必要になります。これはかなり費用がかかります。目当ての土地が地盤改良が必要かどうかは実際に調査するまでは分かりませんが、その土地の地質がどういったものか、また近隣の地盤改良工事の過去の記録の有無等である程度の目星はつけることができます
    • 地盤サポートマップありがとう https://www.j-shield.co.jp/1million/cp2.htm

注文住宅へ求めるもの

ハウスメーカー探しに行く前に、自分たちが注文住宅にどういったものを求めるのか、また言い換えれば注文住宅はどういったことを実現できるのかを書きます。

断熱性能

いわゆる高断熱/高気密住宅が最近のホットワードで取り上げられます。まずは、高断熱(UA値)ですが、高断熱かどうかは断熱形式と断熱材の種類、断熱材の厚みで決定されます。断熱材に関しては、どの断熱材が一番良いかという議論はここではしません、なぜなら素材ごとに熱貫流率(U値)が存在し、断熱性能はそのU値(小さければ小さいほど熱を通しにくい)と厚みで決定されるので、極端なことを言えばU値が高くても分厚く施工すればU値が小さいものに勝る断熱性能が出せるからです。

  • 断熱手法
    • 基礎断熱
      • 家の基礎の部分に断熱材を施工する。床下に外気が通らないため断熱性能は高いが湿気の問題等デメリットもある
    • 床下断熱
      • 一般的な床下に断熱材を施工する方法。
    • 内張り断熱
      • 一般的な壁への断熱材の施工方法。木材と木材の間に断熱材を施工するので木材自体を通して熱が伝わってしまう
    • 外張り断熱
      • 家の柱の木材ごと断熱材で包むようにする施工方法。外と面する部分が断熱材で覆われるので断熱性能が高い
    • W断熱
      • 内張と外張りの両方を実施する。断熱性能ばバツグンだが、お値段も高くなるし、この施工をしている会社は多くない
    • 屋根断熱
      • 屋根裏に断熱材を施工する。小屋裏(屋根裏部屋)が室内の気温と同等になるので、小屋裏収納などへの利用に適している
    • 天井断熱
      • 天井に断熱材を施工する。小屋裏が外気温と同じになるので小屋裏の利用は難しい
  • 断熱材
    • グラスウールなどのウール系
      • 一般的な断熱材はこのウール系が広く利用されている。大手ハウスメーカーでもほとんどウールの断熱材を使用している。ただ、各メーカーごとに使っている厚みが異なるので、きちんと把握する必要がある。またウール系は職人さんの腕次第で施工後の断熱性能や耐久性にばらつきがある。きちんと施工管理をしているハウスメーカーを選ぶことが大切です。また、遮音性能は他の材質よりも上です。
    • ポリエチレンフォームなどのフォーム系
      • 近年の高断熱高気密を売りにしているハウスメーカー工務店はこちらを利用していることが多いです。発泡スチロールのような整形されたブロックで工場から出荷されて現場に届くので、施工のばらつきが少ないです。旭化成のフェノールフォームが断熱材界の王者of王者と自分の中で話題です
    • 発泡ウレタン
      • 最近の技術発展で出てきた新しい断熱材です。吹き付け断熱とも呼ばれており、現場で壁に直接、発泡ウレタンを吹き付けて施工します。隙間なく断熱材を施工できる点で良いです。ただ、新しい施工方法のため現場でどの程度慣れた職人さんが施工してくれるかでばらつきはありそうです

次に高気密について書きます。高気密(C値)とは、家がどの程度気密が保たれているかを表します。例えば、気密が保たれていない家は隙間だらけで、熱が逃げやすいです。この高気密C値は実際の家で計測することができます。我が家も計測してもらってC値は0.6でした。一般的には1.0以下だと良いとされているので、十分に満足できる値になりました。このC値は、住宅の性能を示す指標として重要にも関わらず、ほとんどのハウスメーカー工務店ではあまり重要視されていません。これは憶測ですが、C値自体を上げるためには施工段階でかなりの努力が必要なこと(極端なことを言えば全てのつなぎ目に気密テープを貼るなどで高めることはできる)、一般的な木造住宅は木の経年変化で絶対に家自体が動くので数年後のC値に対して当てにならない、といったことがあるかと思います。

換気システム

これはほとんどの注文住宅ではもう第一種換気を採用していると思うので、詳しくは書きませんが第一種換気良いですよ。

木造かRC造か

お金が無限にあるならRC造がおすすめです。マンション暮らしでマンションの鉄筋コンクリートの防音性能に慣れていると、木造住宅に住むとびっくりすると思います。もちろん我が家も木造なので木造の中での違いに関して少し書きます。

  • 在来工法
    • いわゆる昔からある木造住宅の建て方で、柱や梁と耐力壁で家全体を支える工法です。自由度が高く、また昔からの方法なので対応している大工さんも多いです。しかしツーバイフォーと比べると大工さんの腕に依存しているので施工のばらつきはありますが、リフォームなどへの対応はしやすいです
  • ツーバイフォー工法
    • 壁4面で家を支える建て方です。自由度は在来工法に及びませんが、マニュアル化されており施工のばらつきが少ないことが期待できます。また在来工法よりも安価で短い納期で施工可能なことが期待できます

設計の自由度

いわゆる完全自由設計ができることが注文住宅の強みですが、ハウスメーカーによっては制限があることもあります。また、天井高で窓がとんでもなく大きいリビングなどは木造だと厳しいので鉄筋コンクリートに対応したメーカーを選ぶ必要があります。ただ、こちらは結局のところお金をたくさんかければどんな設計にもできるという結論になります

コスト

こちらが私がハウスメーカーを探している段階で一番驚いたことなんですが、よくCMで見る大手ハウスメーカーなどの単価はめちゃくちゃ高いです。一番初めに某有名ハウスメーカーに相談に行って予算を伝えたら、苦笑いされて現実的な価格感を教えてもらい、膝から崩れ落ちるかと思いました。ネット上では各ハウスメーカーごとに坪単価として大体の単価が出ていますが、実際にはオプションをつけたり諸々の諸費用などを考えると、とんでもない価格になります。みなさん、どうやって家建ててるんですか?

次に考えるのが、ローコストメーカーや地元工務店です。ローコストメーカーは最近なにかと話題のタマホーム(今回我が家は選びませんでしたが)もローコストメーカーに分類できる会社だと思います。これらのメーカーは、広告費の削減、中間コストの削減や標準スペックを下げてオプション化するなど色々な手法で大手メーカーと比べて半値くらいの単価で注文住宅を建てることができます。地元工務店も同様で、設計から建築まで小さい規模感で回すことでコストを下げています。もちろん、安いからと言って品質が悪いということには直結しません。大手メーカーよりも遥かに高い断熱性能や施工品質で家を建てる工務店もたくさんあります。実際、大手メーカーは自分たちで施工しているわけではなく、結局は小さい工務店に依頼していることが多く、ブランドや安心感にお金を払っている面もあります。この辺りは、IT業界のSIerなどを思い浮かべますが、実際に完全に同じ構造になっているので、この記事を読んでいる読者の方々は大手SIerへの発注とそうでない会社への発注する場合のメリット、デメリットを考えてもらえると分かりやすいのではないかと思います。

ハウスメーカー探し

注文住宅を建てるにあたって一番重要なのがハウスメーカー選びです。地元の工務店から有名なハウスメーカーまで、たくさんの選択肢の中から自分たちがベストだと思う会社を見つける必要があります。この探し方も色々なパターンがあると思いますが、自分たちは目当ての土地を見つけた後で、住宅展示場を回ってハウスメーカーを探しましたので、それを例にとって書いていきます。

営業とのコミュニケーション

ハウスメーカーを選ぶにあたり、色々な要素がありましたが、自分たちにとって大きなポイントが2つあって、その1つが営業とのコミュニケーションでした。ネット上で口コミを見ると多くの辛口コメントのほとんどが担当営業とのやりとりの不満やコミュニケーションミスからくる様々な問題だと思います。自分たちも色々なハウスメーカーで話を聞いて見積もりをお願いすると、明らかに営業としての質や温度感が異なりました。例えば、自分たちの要望をただ聞いているだけで聞き出すことをしない営業、メールで連絡をしてもなかなか返事が来ない営業、営業側からアクションがなく自分たちでいろいろ話を進める必要があった営業、もちろん完璧な営業というのは存在しないなかで、どこを一番に置くかは人それぞれだと思います。自分たちは、とにかく一生懸命に自分たちと一番コミュニケーションをしてくれた営業のハウスメーカーにしました。家を建てるにあたり様々な工程がありますが、絶対に間違いはあります、しかしどんなにミスや漏れがあっても、コミュニケーションが取れないと何も始まらない、逆に言えばコミュニケーションさえ取れていればどうにかなると思っての選択でしたが、結果的には非常に良い選択をしたと思っています。

全体の設計

次に重要なポイントはもちろん家自体の設計です。元々、自分たちの要望は5LDKだけでしたが、色々なモデルハウスを見学すると決まって広々とした中庭があることが多かったです。自分たちの土地は建ぺい率40%で残りの60%は駐車場か庭になるのですが、住宅地とは言っても周りの家からや道路からの視線が気になります。そう言った面でも周りからの視線が気にならない中庭という選択肢は良さそうだと感じて、5LDK+中庭の家を建てることに決めてハウスメーカーと相談を始めました。

ただ、どのメーカーも中庭は難しいという回答が多かったです。モデルハウスと違い、実際に人が住む家を中庭付きで建てる場合、色々な制約が存在しました。

  • 豪雨対策
    • ロの字型だと水の逃げ場がないため、排水のために工夫が必要になります
  • 形が歪になることで発生する無駄なスペース
    • 特に家は基本的には総二階と呼ばれる一階と二階を同じ形で作ることが望ましいですが、中庭をセットにするとより多くの廊下スペースが生まれてしまいます
  • 中庭の施工経験が少ない
  • 外壁が多くなるため費用が高くなる
  • 家の中の動線に無駄が多くなる

こういった制約の中で中庭を実現しつつ、間取りとしてもベストを探して行かなくてはいけません。この辺りから、プロダクトの設計に似ているなと感じ始め、どんどん深みにはまっていきました。各社から出てくる設計書と見積もりを精査して、ここの検討が漏れているんじゃないか、ここを変えるとどのようになるか、こういう条件が追加で必要になった、ここの部分は不要なので削ってほしい、等々の膨大なやりとりが発生しました。また設計以外にも、各社から出てくる工程表もチェックする必要がありました。各社、得意としている施工と大工の空き状況や材料の手配にかかる期間も異なります。会社によっては完成予定日が、半年以上開きがある場合もありました。こう言った全ての要素を突き合わせて自分のベストとなる設計と共に会社を選ぶ必要があります。結果的には、中庭が一番綺麗に実現できている設計の提案があった会社を選びました。

施工管理

どのような会社も施工するのは大工さんです。大工さんの管理、現場の管理が行き届いているかをチェックしました。自分たちが選択したハウスメーカーでは現場の見学をさせてもらえました。実際に建築途中の現場に訪問しました。そこでしっかり掃除が行き届いている、道具の整理がきちんとされていることを確認し、また大工さんから直に話を聞くことができました。

また施工マニュアルとチェック表に関しても見せてもらいました。注文住宅クチコミでよく見た施工失敗の事例などを引き合いに出して、ちゃんとチェック表で網羅されているかなどを確認しました。

電気設備

我が家は全館空調を採用したので、全館空調について調べたことも書いていきます。全館空調は、各部屋ごとにエアコンをつけずに、家の小屋裏などに設置したとても大きな空調設備で家全体に冷房や暖房を実施する設備です。

  • 多機能全館空調
    • めちゃくちゃ高いです。でも物によっては、加湿機能がついてたり各部屋ごとの温度を調整できたりします。完全にオフィスです、すごい。
  • 比較的安い全館空調
    • それでも高いです。家全体の温度を一括で管理します。部屋ごとの細かい調整はできません。パワフルな空調で家全体を冷やす/暖めることができます。
  • Z空調などの普通のエアコンを使うタイプの全館空調
    • 普通とは言っても家庭用の中では強いものを使います。それでも圧倒的に安価です。また、故障の際には家電量販店で買い替えをできる点はメリットになります。

自分たちも最後まで悩みましたが、比較的安いタイプの全館空調設備にしました。夏しか経験してませんが、すごく快適です。常に家のどこに行っても涼しいです。ただ外気温が35℃を超えるような日は暑く感じました。というのも全館空調は、家全体を冷やす効果は高いですが、どうしてもエアコン単体で一部屋を冷やすのに比べると効率がとても悪いです。とても暑い日は、リビングは冷えているが、各部屋(特にPCが置いてあって人が作業している部屋)は冷え切らないというのが感想です。それでも個別にエアコンを付ける気にはならないですし、今後付けたくなったら付けれるようにエアコン用の穴やコンセントは用意はしました。また、冬になるとどうなるかは楽しみです。

そのほかの電気設備で特徴的なのは、出来るだけIoT対応の設備にしました。パナソニックがその辺りは強く、パナソニックのAiSEG2やドアホンを採用し、YKK電動シャッターやYKKヴェナートの玄関ドア電子錠、エコキュート連携でスマホから様々な操作ができるようになってます。この辺りでIoT用の無線プロトコルの話や逃れられない2.4GHz無線の話、赤外線最強説といった話もありますが割愛します。

照明

ライティングの世界は沼です。照明を検討している時が一番辛かったです。一般的なシーリングライトなら、そこまで迷わないんですが、我が家のLDKは埋め込みタイプのダウンライトにしたので、どのように設置するか何個設置するか等たくさん検討する要素がありました。

  • 拡散タイプか集光タイプか
    • 光を拡散させるもの、集中的に照らすタイプの2種類があります
  • 60Wか100Wか
  • リビングを明るく照らすのに必要な数
    • 数が多ければ良いという物ではないです、また多く付けるすぎると天井が穴だらけに見えます
  • 光の色をどうするか、電球色、昼白色、昼光色の選択肢があります
  • 家具との調和
    • ライトは照らしたいものを照らす物です、家具をどこに置くか、その家具でどのように過ごすかで選ぶライトは変わります

ライト1つで部屋の雰囲気はガラッと変わります。しかし、埋め込みタイプのダウンライトは天井に穴を開けるので、取り返しがつきません。またこだわり始めたらどこまでも沼に沈んでいけますが、ソフトウェア開発とは違ってパッチで修正もできませんし、テストもできなければリアルなシミュレータもないです。ライティングの本を読んで勉強し、様々な事例紹介を見て、考慮漏れがないか細部まで確認しました。それらの工程を経て、大体のあたりをつけてパナソニックショールームでリアルに近い配置でダウンライトを体験できる設備で最終チェックをしました。結果的にはとても満足にいく仕上がりになりました。

コンセント

みんな大好きコンセントの時間です。大体1個あたり数千円の出費で追加できました。照明と違って、別に多すぎても困らないのでたくさんつけました。必要に応じて、高さを家具に合わせて高くしたり、壁から離れたところには床コンセントも設置しました。またここでセットで有線LANケーブルを家中に引きました。将来も見越して、Cat6AのLANケーブルをCD管経由で各部屋に出しています。また、WiFiルータの設置のために、いくつかの収納の枕棚にもLANケーブルを出しました。これらの集約地点は、納戸の枕棚にしてそこにメディアボックスを設置しました。ここにONU、10Gスイッチ、ルータ、NASなどを設置しています。

また、壁がけTVを検討している人は忘れずに、設置したい壁の補強と一緒にTVを設置したい位置にコンセントを付けましょう。これは買うテレビのサイズ、テレビの裏面の配線などを考慮して一番良いコンセント位置を探る必要があります。この計算も地味に時間がかかりました。

水回り設備

主に、キッチン、トイレ、浴室、洗面です。こちらはキッチンハウス、パナソニックLIXILTOTOなどのショールームをしっかり回りました。我が家は、キッチンはグラフテクト、トイレはアラウーノ、浴室はアライズ(1620)、洗面はルミシスセレクトを選びました。正直、予算ははるかにオーバーしてとんでもないことになりました。ショールームは危険です、みなさん強い心を持って訪問してください(価格を使用日数で割ると実質タダに感じますが全然タダではないです、正気になってください)。しかし、こちらは完全に好みの世界になるので、何をどのように選んでも人それぞれだと思いますが、ミーレやボッシュ等の欧州メーカーの大きい食洗機だけは強くお勧めします。

その他

  • 床材
    • 無垢床と挽き板、突き板、シートの選択肢があります。無垢が本来の木そのものになっており人気があります。ただ値段やメンテナンス、掃除のことを考えて突き板を選びました。とても満足してます
  • 壁紙
    • 分厚い冊子から選択していきますが、めちゃくちゃ迷います。あらかじめインスタやインテリア系の事例紹介サイト、SNS等で下調べしておおよそのイメージをつけておきましょう
  • ウッドデッキ
    • 本物の木を使うほうが見た目には良いですが、メンテナンスや耐久性を考えると樹脂ウッドデッキが良いです
  • 窓とサッシ
    • 注文住宅のデファクトはペアガラス、アルミ樹脂混合サッシだと思います。我が家はより高断熱高気密が期待できるトリプルガラス、樹脂サッシを選択しました。遮音性能もアップして満足度が高いです
  • 外壁
    • 一般的な住宅の外壁はほとんどがサイディングだと思います。他の選択肢はモルタル、タイル、ALCなどがあります。見た目にはタイル外壁が一番良いかなと思いますが、メンテナンス性や性能面でALCを選択しました
  • 部屋の配置
    • 夫婦の仕事部屋はそれぞれ1階と2階に分けて配置しました。これはお互いに電話会議の音声が入らないように離れた位置にしたかったからです。逆に子ども部屋は隣接して同サイズ、同設備を意識して配置しました
  • 外回りの設備
    • 外での掃除などに何かと使うと思ったので水道は付けました。また、二箇所に100Vの外コンセントを付けています。これは高圧洗浄機で外壁の洗浄をしようと考えていて、家の全周をカバーできるように設置しました。また、駐車場スペースに200Vコンセントを2つ設置しました。これは将来ガソリン車がなくなり電気自動車になることを見据えて設置しました。しかし、ある程度お金を出せば後からでも設置可能なので、1つでも良かったかなと今は思っています

様々な問題と対処

ハウスメーカー担当の方はプロですが、人間がする仕事に完璧はありません。重要なことは、自分たちがお客様であるという感覚を捨て1人称で取り組むことです。今回、私は家を建てるにあたって様々なことを勉強しました。担当者が見落としていた部分は自分が拾って指摘できるように、また自分たちの要望を正確に伝えるために、コミュニケーションミスにより図面に反映されていなかった点を指摘できるように、様々な場面で勉強した内容が役に立ちました。また、設計段階では修正できていた部分が実際の施工では反映されていなかったりということもあります。それもきちんと自分たちが気付いて指摘できれば、すぐに修正してもらえますが、気付かずに住み始めてから判明すると施工のやり直しはかなり手間がかかります。自分たちがしっかり知識をつけて、担当の方とよくコミュニケーションが出来ていればどのような問題にも対処できました。

ローン

これを話し出すと、またすごく長くなるので割愛しますが、ポイントとしては金利と団信特約オプションが重要ではないでしょうか。また注文住宅でローンを借りるにあたっては、つなぎ融資、分割融資ができるかどうかも重要なので気をつけましょう。

外構工事

ハウスメーカー工務店は家は作ってくれますが、外構と呼ばれる家の周りの設備(庭、玄関、駐車場等)は作ってくれません。外構専門の業者を探して発注する必要があります。こちらの手順ややり取りはハウスメーカー選びとほぼ同じです。ただ、どういう外構にすれば良いか、どういった予算感なのかは注文住宅以上に難しい面もあります。私は 庭ファンYoutube動画をひたすら見て勉強しました。

住んでみての感想

最高です。設計の段階で、自分たちがどういう家に住みたいか、この家に住んだらどういった生活ができるかを考え抜いて作っただけはあり、本当に自分たちにとって最高に居心地の良い家になりました。これから、自分たちの趣味や生活スタイルの変化でたくさん手を加えていきたいと思っています。

最後に

このような最高の家を作ることができたのは、担当して頂いたハウスメーカーの営業の方、設計の方、施工責任者の方、様々な関係者の方々のおかげだと思っています。本当にありがとうございました。

これを読んでいる皆さんへ、もし注文住宅をご検討の際にはここに書かれていることを話半分に参考にして頂ければなと思います。またもし注文住宅を検討されている方は、お値段に関しては覚悟しておいてください。気付いたらとんでもない金額になっています。私もこれから莫大なローンを返済する日々が始まりました。莫大なローンを爆速で返済できる高収入なポジションを紹介して頂ける方、Twitter経由で良いので教えてください。

6年勤めたNTTを退職した人の同期だけど私も6年勤めたNTTを退職しました

 

f:id:hichihara:20181130220331j:plain

6年間通った職場

 

11月末付で6年勤めたNTTを退職しました。色々と話題のkumagiとは同期入社で同じ研究所、同じ部署、ブースは2個くらい離れたところでソフトウェアエンジニアをしていました。

 

kumagi.hatenablog.com

 

長いようで短かった日々ですが、本当に満ち足りた思いでいっぱいです、関係者の方々には大変お世話になりました。

 

振り返り 

2012年に入社したときに配属になった先はクラウド基盤開発を行っている部署でした。てっきり研究ができるものだと思っていたので、どうしたものかと最初は戸惑っていましたが、気づけば開発の沼へとどっぷりと浸かり、なんやかんやあってOSS活動に目覚め、OpenStack Neutronのコミッタ(コアレビューア)になって、最近はコンテナ周りのネットワークなどを中心に活動しています。

研究所について

NTTの持株と呼ばれる組織は研究所を持っています。大雑把に言うと、NTTグループ会社で提供されるサービスの技術を研究開発している組織で、日本企業の持つR&Dではかなりの規模になります。NTTという大企業の安定した収益のなかで、研究所では直近で必要になる応用研究から何十年か先に必要になるであろう基礎研究まで幅広い研究開発が行われています。

研究・開発について

6年間働いて、NTT研究所の研究開発の良い部分も悪い部分も多く見てきました。良い部分としては、とにかく自由な発想で研究が出来るという点にあると思います。NTT研究所は電柱や光ケーブルの素材から世界でも有名な暗号技術、ネットワーク装置、ソフトウェアからUIUX、画像処理、音声技術、自然言語処理まで本当に多種多様な研究をしている部署と研究者がいて、その研究成果を届ける先であるNTTグループ会社も多種多様な業種が揃っています。その中では、全然異なる分野の全く新しいことを始めたいと思ったとして「それはうちの本業とは関係ないよね」と言える物のほうが少ないんじゃないかと思います。どんな分野の技術でも始められる下地があって、それをサービスとして提供できる先もあるのは強みだと思っています。

ただし、悪い面というか上手く回ってない面もあると感じていました。それは事業会社との距離がどうしても遠くなってしまうことです。企業の開発部署や開発した成果物を受け取る先の部署にいたことがある人なら感じたことがあるかもしれませんが、開発を行う部署と運用行う部署、またそのサービスのお客様と接している部署との距離は同じ会社であっても遠くなりがちで、コミュニケーションが上手くいかず、色々な失敗が起きてしまうことが多々あると思います。NTT研究所はそのコストがとても大きい場所です。研究開発を行っているなかで、運用側やお客様からのフィードバックはとても重要なのですが、別の会社ともなると会議一つ設定するのも大変ですし、ましてやそれぞれの会社は異なる意思決定の元に動いているため、連携することが非常に難しいと感じました。

給与・環境について

日本の平均年収よりも高く、よく比較される電機メーカーやSI会社に比べて低いというわけでもありません。生活していく上で困らない十分な給与を貰うことができます。また、研究所の環境に限って言うと私はMacProに64GBメモリを積んで27インチディスプレイで仕事を主にしていました。持ち運び用にはMacbookProを持っていましたし、パフォーマンスなどを測りたいときは、コアとメモリをたくさん積んだサーバを買って試験をしていましたし、全く不満がなかったです。kumagiが例の記事であげていたセキュリティ施策の問題は確かに周りでも不満を持っている人はいますが、単に今までが緩すぎたという事実の裏返しの部分もあると思っています。NTTの提供する様々なサービスの総ユーザ数は数えることすら出来ないほど多く、その数の分だけ個人情報を持っており、また我々の大株主は日本国です。歴史的経緯などを加味しても、セキュリティをガチガチに固めるのは当然の判断だと思います。ただ、反発がある部分として、ガチガチに固めるあまりに気づいたら全く身動きが出来なくってしまった、という印象も一部ではあるので、そのあたりは今後改善の余地があると感じています。

私自身の話について

私は上記のような環境の中で本当に様々な経験を積ませてもらいましたが、そのなかで一番感謝していることが、私の希望通りにOSS活動する時間とお金を惜しまず提供してもらえたことです。詳しい経緯は下記のスライドを見てもらえばわかると思います。

 

www.slideshare.net

部署は開発で大忙しのなか、私は上司に直談判してOSS活動をさせてもらえる時間を貰うことができました。それからは会社に出社してすることは、パッチのレビューのみ、ミーティングもほとんど参加せず、ただただ毎日パッチ投稿やパッチレビューをする日々でした。この間、会社の成果や売上に何の貢献もしていません。なんなら、カンファレンスの出張費や検証用のサーバ購入費などとにかく金を食いつぶしてばかりの存在な上に、成果を出せないまま2年もそんなことを続けさせてもらいました。しかし、そのおかげでOpenStack Neutronのコミッタになることが出来ました。ベンダやディストリビュータではない会社でOSSフルコミットさせて貰える会社はそれほど多くないと思っていますが、私の希望を叶えてくれた会社には感謝しかありません。気づけば、私のチームは、OpenStack公式プロジェクトのプロジェクトリーダーが2人、コミッタが2人いるとても強いチームになっていました。これはOSS活動を例に出しましたが、研究や標準化などといった分野でも同様に研究所は研究者を信じて時間とお金を惜しげもなく与えて成長を促してもらえる場所です。kumagiの例の記事では負の面ばかりがクローズアップされていますが、前半に書かれている良い面も事実として注目をして欲しいです。

 

さて、じゃあなんでお前は転職するの?という疑問の回答としては、研究所はどうしても事業会社との距離が遠い、つまり実サービスから遠いところで研究開発をすることが多くなってしまうという点で、もっとサービスに近い場所で開発をしたいという点が大きな理由としてあります。 研究所にここまで育ててもらった恩返しがしたいという気持ちや新しい技術を身につけるなら研究所のほうが良いんじゃないかという気持ちなどが渦巻く中、私の決断としては外に出てみたいという気持ちが強くなりました。

 

蛇足的な話

こんな言及はしたくないのですが、kumagiの記事がバズりすぎていて、さすがに困った感じになっているので、少しだけ余計なことを書くと、NTT研究所は悪い場所ではないです。上に書いた通り、社員を信じ、圧倒的に成長できる機会をくれます。私は学生時代に書いたコードで一番行数が多かったのが大学の課題で書いたコンパイラC言語で3千行くらい)でしたし、某インターン面接で「好きなソートアルゴリズムとその実装方法を教えて?」という質問にバブルソートしか回答できず即落ちしたくらいのレベルでした。そんな私でも気づいたら大きなOSSのコミッタになれるまでに成長できる機会を与えてくれるような会社は人生何回やり直してもNTT研究所しかなかったと思います。

 

追記

あっ、GAFAではないです。

OpenStack Contribution Github Page List

Neutron Project

https://github.com/openstack/neutron/commit/b9d0c5418dcf397fe06976aae5d1749ec99a662a
https://github.com/openstack/neutron/commit/e3d211b265443674f3143467139c43984bb0a080
https://github.com/openstack/neutron/commit/95bbb7385bbd538de99a94b20e2f58718cce16d7
https://github.com/openstack/neutron/commit/96f0142b8089a85f1a031f236c6d39fd463bf86c
https://github.com/openstack/neutron/commit/574572397152eea16c08ec256e014c7f387a2dff
https://github.com/openstack/neutron/commit/fe2249c12aa37624601e4b3be789bd21de72be0d
https://github.com/openstack/neutron/commit/cf97509f2b84cf1deaafa3176e58f7db0e515216
https://github.com/openstack/neutron/commit/2873bb3acf4fc1db14141c154bd7e4b9ff8030cf
https://github.com/openstack/neutron/commit/2f8b4e06feb4a03f77490c7758c5979005e0ea68
https://github.com/openstack/neutron/commit/e3063496cfc6fa39ac6d2b76da0d876c8dfdebd2
https://github.com/openstack/neutron/commit/86c4af7a6083e1c391dbfb484c45d25eaeaaaa39
https://github.com/openstack/neutron/commit/b56f008f3a01e5dbbf5b0744a9286a8302c3326a
https://github.com/openstack/neutron/commit/66c7c604fe3be6b80deaa1cac86117ebad9ee3d1
https://github.com/openstack/neutron/commit/0daed9ebcab7d46d066fd9d8af576d9aca0a7205
https://github.com/openstack/neutron/commit/951cd80c341fdc2783c8e3042a9e93becab58e36
https://github.com/openstack/neutron/commit/a348c389583a0b7a9c48ed5a7cbc4ae734b766ee
https://github.com/openstack/neutron/commit/82b3ccaffd36c1226d4b0590f56075f4894cfd22
https://github.com/openstack/neutron/commit/dc68662a0be831b66fc50d6bca7a8f1d70351200
https://github.com/openstack/neutron/commit/7fb8d542efab555e2e3b466fe9a04fb77d836c02
https://github.com/openstack/neutron/commit/ec1457dd7503626c917031ce4a16a366fe70c7bb
https://github.com/openstack/neutron/commit/0ae3c172ae4a7f80df5473ed53b8424ea408c583
https://github.com/openstack/neutron/commit/8daf493a7df4e1e2aa608aa87774581ab3069e53
https://github.com/openstack/neutron/commit/3f1c75ade76518905a76f636312b481d754651e8
https://github.com/openstack/neutron/commit/5700afb3201b240e9cc8bfaf7a86b69ce66aacec
https://github.com/openstack/neutron/commit/999ee86deaab2d72069f9d16c3a7d893c1426fc4
https://github.com/openstack/neutron/commit/ef2a5543cc7e15769031f81c921d4babb7e14d04
https://github.com/openstack/neutron/commit/6e500278191296f75e6bd900b94f7e36cc69edf2
https://github.com/openstack/neutron/commit/65aea5d57728a7dcf9ad9665693305f97fd1918d
https://github.com/openstack/neutron/commit/ae1fb6e87225900bedbc68d014369a1adaa4fcab
https://github.com/openstack/neutron/commit/2c62cd6ec0751a355c4db3f430e1c5d9e7a45bf7
https://github.com/openstack/neutron/commit/9c2c3021a64462af37ac69f66a21e314988f5906
https://github.com/openstack/neutron/commit/d04284b0a1c19a0486636a846aff21e7b9ad9610
https://github.com/openstack/neutron/commit/d02bcb9c3917028948b08c319d1443d487c36846
https://github.com/openstack/neutron/commit/a6c8d60e5e5ad41096dcf1f258b2983d2c6beb77
https://github.com/openstack/neutron/commit/6ff8582896646f1e88d1a754cd476147e02c1834
https://github.com/openstack/neutron/commit/95e2b53a7bf9fd162960389fec7dfc97b1729c50
https://github.com/openstack/neutron/commit/5b5eee766bb1891fc55660f8f45df561c42ccb90
https://github.com/openstack/neutron/commit/dc4268b8547ba9416c3c1de4fb41597ab9d5a6df
https://github.com/openstack/neutron/commit/8dde08679902149576a9173ebda3f847e65c964f
https://github.com/openstack/neutron/commit/86617741bcbe040cc95f1fb733525895725279b3
https://github.com/openstack/neutron/commit/6b253e0cc3ea6caa28e17b3cd2e5dfd60bbc7bb2

 

Neutron Library Project

https://github.com/openstack/neutron-lib/commit/e1a3c983ff90e1c9ad99f7f6bd272b723033a44b
https://github.com/openstack/neutron-lib/commit/13f3ea617b1ba7544a3aa1ec394bb31345b2394a
https://github.com/openstack/neutron-lib/commit/1412f1edb221b586698f7878061dd903e8c9abef
https://github.com/openstack/neutron-lib/commit/59005a0a7815e9ca6065eb89b92e107402f6c2ba
https://github.com/openstack/neutron-lib/commit/75ceeeb98cdab0b2c5ba4acb90f1012841ff0d05
https://github.com/openstack/neutron-lib/commit/9817dc494bdfe705f66e01ccf3431b29529bb0f9
https://github.com/openstack/neutron-lib/commit/3fe13e237d8cdfaaca4863c10d35024159edde1c
https://github.com/openstack/neutron-lib/commit/7c5b02d59aac2c989b140255d241ac0ed0ffc66b
https://github.com/openstack/neutron-lib/commit/4f71837e4147d090f226a9a09706930e6324d59c
https://github.com/openstack/neutron-lib/commit/7050f29501b12ee401eea0041179cdd4cf3b8a86
https://github.com/openstack/neutron-lib/commit/d8f65bc9ee0c6b36cb43f9c2c9ad8c36e5aeeca3
https://github.com/openstack/neutron-lib/commit/9011e1d71d93d42bb335e1638be7103d14402f4e
https://github.com/openstack/neutron-lib/commit/468358599240b7a12478ed7a6e8da92f430f13b5

 

 

Neutron Specification Project

https://github.com/openstack/neutron-specs/commit/4b399c23d8ec7083d7b2118c82afc402c11dddbb
https://github.com/openstack/neutron-specs/commit/94cff5c93016621ba3df9f94f930ab91666f239e

 

Neutron Client Project

https://github.com/openstack/python-neutronclient/commit/4d4e4decc39fe68f3624f92903ed29edd605375e
https://github.com/openstack/python-neutronclient/commit/00940cf7c51b3f502adc07277dede90c817237d6
https://github.com/openstack/python-neutronclient/commit/c91f9f2ccd7d61012673d5f3adb201e0767b939d
https://github.com/openstack/python-neutronclient/commit/53e2ad1ba964bade5ebc2cb2b74113b46adc3f19
https://github.com/openstack/python-neutronclient/commit/6bc4685f6b50fb8883c67b7f80b12ced6228d27b
https://github.com/openstack/python-neutronclient/commit/f67f4af8bd733f5bd186a7c02211ed0667e08a96
https://github.com/openstack/python-neutronclient/commit/65118c09eb08e760590939e57d3b1a485c567f91
https://github.com/openstack/python-neutronclient/commit/65812849419bd13b2f72bcfc8a40ae6c5078427b
https://github.com/openstack/python-neutronclient/commit/709928b5503f8899ddb7bc772f23432212284082

 

Networking Lagopus Project

https://github.com/openstack/networking-lagopus

 

Devstack(QA) Project

https://github.com/openstack-dev/devstack/commit/40aae6adbfce1bd896d5f7b0e281e798b56d1ca8
https://github.com/openstack-dev/devstack/commit/508931ff367df646d1fa6068008fe550c5572d02
https://github.com/openstack-dev/devstack/commit/97cc85b9b1661cb73f732b854a3f2ebd738539ed
https://github.com/openstack-dev/devstack/commit/36daecd1a362a6a5388aa4ee5c5269563a820cbf
https://github.com/openstack-dev/devstack/commit/2bb3a648929550ae9ff237185be43d864e1e0225
https://github.com/openstack-dev/devstack/commit/1c506c5c3422b80ca01903f929b47011a4f969e1
https://github.com/openstack-dev/devstack/commit/22cf648cf64029b6ba34a77aadd43b356acd53e7
https://github.com/openstack-dev/devstack/commit/7ab3e39bc485acc2b54d7496a77c2e43eda4e799
https://github.com/openstack-dev/devstack/commit/d48d672a8d36a70b10456496159fecf7551e89f8
https://github.com/openstack-dev/devstack/commit/4f91f93557d088b315e1687db9fa462888a06312
https://github.com/openstack-dev/devstack/commit/5c0546e427a02ca7f84eac0894bc84073fa32638
https://github.com/openstack-dev/devstack/commit/cc5715531b46f558faffefe4fe6e77d48af2368b
https://github.com/openstack-dev/devstack/commit/469a6d8f663bc335bdb86248a951065c2260a0cb
https://github.com/openstack-dev/devstack/commit/daa9a734e2fe008a32ed0f98501e2ce2f80167c8

 

Tempest(QA) Project

https://github.com/openstack/tempest/commit/1950d229c0d536aa1298edfaee15a36a040eb727
https://github.com/openstack/tempest/commit/31a054a5bbe5447b879512abfa3b7cb5fd41954b

 

OpenStack Manual Project

https://github.com/openstack/openstack-manuals/commit/02cf1684a34e76ccfd8032fb2e8e260d3d2179f7
https://github.com/openstack/openstack-manuals/commit/ebabbb9f565188cd303fcefeac9a6922a1f9958f
https://github.com/openstack/openstack-manuals/commit/c5abf0cdedd7d49ab9dcde5c173ce835674bc767

 

Nova Project

https://github.com/openstack/nova/commit/6f47afd4d65bd8b382d01d8b552bc242d8809b23
https://github.com/openstack/nova/commit/62e8dd3042bb62c0e11db6cfd64ca9841eb689b9

 

Nova Docker Project

https://github.com/openstack/nova-docker/commit/d1ad84793b7f2182de04df8a5323d6928af672ca
https://github.com/openstack/nova-docker/commit/e00df55d02048996e35e5755f016bee134ced6f8